色のない秋
いつもの秋なら そろそろ色づいた街路樹のなか
南沙織の色づく街(ふるっ・・・)のメロディが
つい 口をついてでるのだけれど
今は 茶色にちぢれてしまった葉っぱが、しょざいなくついているだけ。
さきの台風がタイミング悪く これからという時に 塩害をばらまいた。
運動公園通りの、もみじのおばさんのような、赤や黄いろの葉。
春は一瞬、ひらいてみんなを喜ばすもくれんも、浅い黄色になる。
はなみずき通りの、ふかいばらいろの葉。
川沿いの桜並木も、水のおかげで冷やされて、色をつけてから落ちる。
寒暖の差の小さい 気候がとりえのこの土地で
周囲を取り巻く低い山の 鮮やかな紅葉は 望めないけれど、
街路樹の色で秋をたのしんでいたのだ。
そして 海ぞいの町なのねと、なっとくしましたのさ。